「世界に一つだけの花」(せかいにひとつだけのはな)は、SMAPの楽曲。
収録アルバム
B面
僕は君を連れてゆく
リリース
2003年3月5日
規格
マキシシングル
ジャンル
J-POP
レーベル
品番
VICL-35477(シングルヴァージョン)
価格
\1,100+税
作詞・作曲
ゴールド等認定
チャート最高順位
2003年度年間1位(
オリコンカラオケランキング)
収録内容
2.僕は君を連れてゆく
4.僕は君を連れてゆく[ミュージック・トラック]
※ その他の収録は『
SMAP 016/MIJ』を参照。
SEKAI NI HITOTSU DAKE NO HANA(S.O.N. version)[編集]
作詞・作曲:
槇原敬之 / 編曲:Adam Podrat
作詞・作曲:
槇原敬之 / 編曲:Adam Podrat
概要
制作・リリースの経緯
最初にリリースされた音源は、
収録されたものである。
作詞・作曲した槇原によると、依頼を受けて最初に提出した作品をボツにされ、
締め切りが迫る中で書き上げたという。
アルバム発売当時からメンバーは本曲が同アルバム中で1番好きな曲だと
コメントしていた。
本曲が世間一般に知れ渡ったのは、アルバムリリース翌年の2003年1月 - 3月にかけて放送された草彅剛主演の
関西テレビ・
共同テレビ制作、フジテレビ系ドラマ
ドラマ放送開始直後からシングル・カットの要望が多数寄せられたため、
メンバーの歌唱パートの入れ替えなどのアレンジを行い、
シングルカットされた。
なお、同ドラマの中でシングル・ヴァージョンが唯一使われたのは、
発売直後に放送された最終回のエンディングである。
アルバム版で締めの大サビを歌っていたのは木村だったが、
シングル版ではドラマのためか草彅が担当している
(2005年3月23日放送の
日本テレビ系列『速報!
歌の大辞テン』最終回にメンバーがVTR出演した際、木村は「大サビが歌えなくなって風呂で泣いた」と話した)。
だが、シングル版の1番2番には、木村のソロが存在する。
シングル・ヴァージョン発売から約6年半後、クラシック・ジャズのアレンジを行い、
2009年12月18日 - 2010年1月11日までの期間限定で『SMAP SHOP09 in akasaka Sacas』にて、『SEKAI NI HITOTSU DAKE NO HANA(S.O.N. version)』として
販売された(曲割りと歌詞は両方ともシングル版と同じ)。
さらに2011年(
平成23年)3月18日には歌詞を中国語に翻訳し再レコーディングしたものを『世界上唯一的花』として中国で発売した。
シングルカットされアレンジが加えられた「シングルヴァージョン」、
『
SMAP 016/MIJ』に収録された「organ version」、
『SEKAI NI HITOTSU DAKE NO HANA(S.O.N. version)』の
「ジャズバージョン」および「クラシックバージョン」、
歌詞が全編中国語の『世界上唯一的花』とCDとして発売された
SMAP名義による本曲の公式なバージョン違いは全部で6パターン存在する。
木村と草彅のパートが多い。
中居のソロパートが歌い出しなのは1994年発売の「
君色思い」以来9年ぶりである。
歌詞
槇原は本曲を作る3年前の1999年に
覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕されたことが自分を見つめ直す機会になった。
その中で彼は仏教と出会い、従来の
私小説的な作風とは異なる人生をテーマとする
作品を手がけるようになり、その成果が本曲だった。
この歌を書き上げた時の様子を槇原は次のように回顧している。
部屋の床に犬と寝ていてパッと起きたら、ものすごくきれいな雨が降っている朝だった。
頭に浮かんでくる景色を文章化していくだけで自分が書いた感覚はなかった。
この曲を書けたこと自体自分の才能だとは思っていない。
神様のプレゼントである(神託)。
そうでなければこんな曲は書けない。
「ナンバーワンではなくオンリーワン」という主題は、
「
天上天下唯我独尊」という仏教の教えが念頭にあった。
『
仏説阿弥陀経』の「青色青光、黄色黄光、赤色赤光、白色白光」という一節が
元になったとも語っている。
これは浄土には様々な色の蓮華が咲き乱れているが、
そこではそれぞれがそれぞれの個性に無上の尊厳性を認め合い存在しているという
内容である。
また、いくら他に沢山のバラがあろうとも自分が美しいと思い精一杯の世話をしたバラは
やはりいとおしく、自分にとって1番のバラなのだと悟るという『
星の王子さま』の話も
基になっている。
振り付け
KABA.ちゃんによると木村に「皆が1つになれる様な振り付けを作ってほしい」との
要望を受けて、制作したものである。
制作時は女子トイレの大きな鏡を見ていたそうである。
大合唱された際には、全員がこの振り付けで踊った。
楽曲の歴史・名場面
本曲の歌詞に登場する「オンリーワン」はこの年の流行語になり、
フジテレビ系列『2003 FNS歌謡祭』で大トリとして登場し披露されている。
同じ年に『
NHK紅白歌合戦』と『FNS歌謡祭』(歌謡ショー形式となった1991年以降)
の双方でトリを飾ったのは1997年の
安室奈美恵『CAN YOU CELEBRATE?』以来6年ぶり2組目(男性アーティストでは史上初)となる。
また、紅白でグループがトリを務めるは史上初のことだった。
SMAPが属する白組が15-0と紅白史上初の完封勝利となった。なお、『第45回
日本レコード大賞』では大賞の最有力候補とされていたが、
「オンリーワンになりたい」というメンバーの意向から辞退した。
『第54回
NHK紅白歌合戦』の大トリ効果(この年の紅白の視聴率は全歌手最高となる
57.1%を記録)で2004年初頭の
オリコンシングルチャートで返り咲き1位(翌週も1位)を
獲得するなどロングヒットを続け、
2度目となった。
本曲をモーニングシングとして流し、
「宇宙に一つだけの花」と呼ばれるなど話題を呼んだ。
草彅と香取がメインパーソナリ
ティーを務めた2005年放送の
のエンディングで、
SMAPのメインボーカルにより全出演者で大合唱され、
この放送直後に
オリコンチャートトップ100に返り咲いた。
エンディングテーマ曲として
2003年10月の番組開始当初より採用されているほか、
2013年8月には「BOSSコーヒー グランアロマ」のコマーシャルソングとして
使用されているが、「花」を「鼻」に引っ掛けた駄洒落も含まれている。
ジャズやクラシック、ボサノバなどでアレンジされたヴァージョンが使用されている。
社会での受容
花や個々人を賛美することで平和の大切さを訴えるという、
CDリリース時の
SMAPメンバーのコメントによるところが大きい。
人命の大切さを訴え平和を求めるメッセージがメンバーから発信された。
衣装もこうした世界情勢に配慮し、何者にも与しないという意味か、
全員白色のスーツだった
紅白においてステージ上で歌手からメッセージが述べられるのは、
歌唱前にステージ上からメッセージを述べる演出を行った)。
支持されている層からは自分が「オンリーワン」なんだといってもらえることで
喪失しかけていた自信を回復できたと肯定的に受容されている反面、
競争社会に積極的にコミットせずに現実逃避する非主体的な若者のメンタリティと
結びつけて批判される場合もある。
社会学者の
土井隆義は、この楽曲はありのままの自分でいることを肯定してくれる癒しの歌とも受け取れる一方で、
若者の間で「個性的であること」に対して高い価値を置く規範が共有されている状況下で自分が「ごく平凡な私」に過ぎないとしか感じられない者に対しては救われない内容
であるとしている。
コミュニケーション能力や
人間力といった漠然とした能力が
評価基準として機能している状況において自身のコミュニケーションの失敗も自分の
個性として引き受けるという
「宿命主義」を表した曲であるとしている。
その他エピソード
ジャケットには多くの企業看板が描かれているが、
これは
SMAPもしくは各メンバーがCMに出演した企業のものである。
槇原は1993年に「No.1」という楽曲を発表している。
槇原が2004年12月22日放送の
フジテレビ系列『
トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識~』にVTR出演した際、
放送内における番組スタッフからの「No.1とオンリーワンはどっちが好きか?」との質問に「オンリーワンです」と返答した。
中居が「どれもみんなきれいだね」と歌うところを
「どれもみんなすてきだね」と歌い間違いをしたことがある。
この模様は番組内でNGシーンとして取り上げられた。
本曲のPVは制作されていないため、テレビで本曲が流れる際にはライブ映像、
もしくはシングル版のジャケットが使われることが多い。
本曲を結婚式で流した夫婦は離婚しないという都市伝説がある。
本曲の振り付けを収録の合間に香取が教え、
本曲を歌っている。
なお、六代目児太郎は昼の部で、二代目
獅童は夜の部で入れ替わりの形で歌った。
コロッケは、映画などに用いられているモーフィングを応用して表情を次々に変化させ、
複数の有名人のものまねをすることができることを活かして、
次々に表情を変える「ものまね33面相」を2007年頃から披露している。
最後には本曲のメロディにのせて高速で一気に33人連続で
顔を変える(46面相バージョンもあるが、こちらは少し違い、
1つの歌を歌いながら次々に変えていくものではなく、
その人の歌を少しずつ歌いながら順番にものまねしていくものだった。
ただし、最後の46人連続ものまねは本曲のメロディに乗せて行った)。
「世界で一つだけの花」と間違われることも多い。
これに対して香取は
「(違和感があまりないので)自分もどっちか分からなくなることがある」と語っていた。
乙武洋匡著の「だいじょうぶ3組」の第4章「ナンバーワンになりたくて」に歌詞を使用。
この曲が好きな教師と歌詞の「No.1」以降の言葉に疑問を持つ
主人公・赤尾先生の疑問が記述されている。
記録
年間ランキングでも1位となっている。
累計258.1万枚を売り上げ、
オリコン歴代シングルチャート9位にランクイン。
アルバムからのシングルカットされた曲では歴代最高の売上である。
最大のヒット作となっている。
オリコンシングルチャートで39週ぶりの1位返り咲きを達成し、
中38週での1位返り咲きは歴代最長記録。
また、同チャートで1位返り咲きまでの最低順位が39位とこちらも新記録となった。
2003年度の「
セガカラiメロディ」でアルバムバージョンが年間1位、
ロングバージョンが年間9位、
シングル・ヴァージョンが年間46位と年間トップ50に3バージョンがランクイン。
オリコンカラオケチャートでは2003年3月3日付から6月16日付までの16週連続を含む
歴代1位であった。また、
第一興商のカラオケ年間ランキングでは、
2003年・2004年と2年連続1位。
2003年5月には
オリコン集計で売上が200万枚を突破。
200万枚を突破したのは2000年発売の「桜坂」(
福山雅治)
以来3年ぶりの快挙。
なお、
オリコン集計で200万枚を突破したシングルは本作が最後となっている。
B'zが「IT'S SHOWTIME!!」をリリースした際に
「BE THERE」から「
裸足の女神」までの作品をマキシシングルとして再発売。
B'zの作品が上位を占める中で本作が
オリコンチャート2位にランクインし、2003年4月7日付のシングルチャートTOP10(12位まで)には、
B'zと
SMAPの2組しかランクインしていなかった。
2004年(金)・2005年(金)・2006年(銅)と3年連続で受賞した。
同時に、1982年 - 2011年度 各年度分配額上位100作品(国内作品)累計ベスト30作品の第1位になったことを発表。
に選出。
「あなたとアーティストが選ぶ新・国民的名曲」で1位に選出された。
カバー
様々なアーティストによってカバーが発表された。
槇原もセルフカバーしている。
セルフカバー
「歌って欲しい」というリク
エストがかなり多く寄せられていたが、
その都度「ジャニーズはいろいろ厳しいのでもう少し待ってほしい」と、
いわゆる大人の事情で歌唱が難しかったことを示唆していた。
槇原が本曲を公の場で正式に歌唱したのは、
この時に冒頭の「ナンバーワンに?」の部分のワンコーラスのみではあるが、
制作者本人だけで歌う部分が初めて披露され、
この番組内で槇原が「ライブで演りたい」という旨を
SMAPメンバーに話したところ、
「歌ってもいい」という合意を得たやりとりがあり、
番組の放送直後のライブで急遽ダブルアンコールとして正式にセットリストに付加された。
その後、音楽番組でも槇原による本曲が度々披露されるようになり、
スタジオ録音バージョンが正式に収録され、
その効果もあってかこのアルバムは
オリコン1位を獲得。50万枚を突破した。
2004年(平成16年)にフジテレビ系列『
めざましテレビ』で放映された槇原と
軽部真一(フジテレビアナウンサー)の対談内にて、
軽部から「当初、自身での歌唱を考えたのか?」との質問が出された際、
槇原は「
SMAPの5人だから良かった」と返答している。
その他
「
女子十二楽坊 ~Beautiful Energy~」の第3トラックに収録、
二胡等で演奏。
ニコラス・テオ/張棟~ - 2005年に「оnly оne」のタイトルで中国語でカバーした。
SOTTE BOSSE - 2006年2月2日発売のアルバム「Essence of life」でカバー、
ギターインストの曲。
山本潤子 - 2007年、アルバム「SONGS」でカヴァー、第9トラックに収録した。
南かなこ - 2008年1月23日発売のアルバム「かなこの2枚目のアルバム」の
第8トラックに収録。
一員として出演中、ピアノひとつで歌った。
布施明 - 2008年9月10日発売のアルバム「Ballade」の第10トラックに収録。
関連項目
さんまの世界に一つだけの歌 - ABC制作・
テレビ朝日系列で2008年以降
不定期で放送されているバラエティ番組。
槇原が、SPサポーターとして出演。